京都工芸の精華

ベトナム展

2013/11/11(月)~23(土) ハノイ ベトナム美術館

主催
作家集団・工芸京都 / ベトナム美術館
後援
外務省、在大阪ベトナム社会主義共和国大使館
在ベトナム日本国大使館、京都府、京都市、京都市教育委員会
国際交流基金
ベトナム、日本サルベージ・サービス

日本とベトナムが外交関係を結んで40年を記念して開催します。
7月に信州高遠美術館、9~10月に京都・中信美術館での展観と同内容の50点を展示し、ベトナムの皆さんに日本の工芸を知ってもらい、文化交流と親善を深めたいと思っています。

工芸の首都、京都

京都の工芸(ko-u-ge-iと発音する)の歴史は、1868年まで日本の首都である平安京(京都)が置かれた8世紀に始まると考えられている。

1886年に明治時代が始るまで、日本には工芸という観念はなかったと言える。今日では工芸はヨーロッパで言われる「装飾芸術」(L’arts decoratifs)のことであるように思われたり、美術として扱われたりもするが、古くは茶碗は単に茶碗であり、染物は染物以外の何物でもなかった。その他の物品(作品)も同様である。

平安京が発展するにつれて、大工はじめさまざまな分野の優れた技術者が国中から集まり、輝かしい伝統を築いて行った。そうした人々は、大は宮殿や寺院から小は刀剣から筆にいたるまで、何でも作った。当然ながら製品の生産量は増加し、品質も向上した。それらは実用的であるばかりでなく、美しくもあった。

京都の歴史のどの時代にも、京都の人々は自分らを取り巻く、山・河・森などの自然を通じて美の感覚を磨いた。特に四季の移り変わりに見せる美観――春の桜、夏の青葉に覆われた小川、秋の紅と黄の葉に染められた丘、冬の日本庭園の雪に覆われた岩などは、その顕著な例である。

工芸美の創造の主流は、陶芸・染織・漆芸・金工・木工などそれぞれの分野での技術者であるが、時として天才が現われて、制作技法やデザインの革新に指導的役割を努めた。しかしそのような人々は、必ずしも専門家ではなく、あるいは商人だったり武士などでもあったが、目指すところは同じで、洒脱・優雅・調和を志向していた。そして多少の例外はあるものの、だれもが京都の工芸の特性を守り育てることを忘れなかった。

京都の工芸に関わる人々は、国中の他分野の文化人との交流を好んだ。相手は宮廷人・僧侶・武士・画家・詩人・商人・農民、それに芸妓らと多彩で、特に京都在住の人々は、しばしば集まって茶や酒を飲みながら話し合って、相手の特色を学び合った。同時に海外文化の知識の習得にも積極的だった。そうした人々を、芸術家と呼んで良いかも知れない。そして彼らを取り巻く京都の町衆(Machishu=citizen)は何らかの意味で、或は自分なりの方法で“芸術愛好家”であった。

明治時代(1868~1912)の初期になって、多くの手造りの器具製造法とその製品が「工芸」として扱われるようになった。「工芸」と言う言葉は、中国の古典の中に出て来るが、工業的作業を意味し、絵画・彫刻・建築も含まれており、少なくとも唐時代には道路工事も工芸の範疇だった。明治初期の日本政府は産業に関連付けて、家庭の日常生活で使う小型の器具が「工芸」であるとした。陶製の食器や花瓶、蒔絵や螺鈿の箱などは、その代表例であるが、京都では政府役人が考える全ての工芸製品が作られており、どれもが洗練されたものだった。

以来、京都の多くの工芸作家が、実用的なものであれ、美術作品としてであれ向上に努めている。日本、そして世界中で「工芸」製品を作っている地域は多いが、私の考えではそれらの工芸産地にはある種の“限度”がある。その“限度”とは、製品の種類・技法・デザインのいずれかの幅が狭いと言うことで、たまたま傑出した作家が傑作を発表したとしても、それだけでは工芸全体の発展の中心地とはなり得ない。その点で京都には、歴史・伝統・製品の種類・多彩な技法・研究の機会と組織といった、の工芸を発展・普及させるための要素の殆ど全てがある。そこで私は、京都を“世界工芸の首都”と言うのを憚らない。

京都工芸の精華―2013

9月3日(火)~10月13日(日) 月曜休館 会場 中信美術館 (京都府庁西・地下鉄丸太町駅から徒歩15分)

主催
公益財団法人中信美術奨励基金
共催
作家集団 工芸京都
協力
京都中央信用金庫
後援
京都府  京都市

11月にベトナム社会主義共和国ハノイ市で「日越友好年」記念として開かれる作家集団・工芸京都第2回海外展の地元披露です。所属・技法・年代の壁を越えて集った、日本工芸を代表する同人25人の近作50点に、京都のみ展示の小品各人1点を加えて展示します。
入場券は、京都中央信用金庫本・支店でもらえます。お問い合わせは075-223-3335 京都中央信用金庫広報部へ

京都工芸の精華―2013

2013年6月29日(土)~7月31日(水) 伊那市立 信州高遠美術館 09:00~17:00(最終入館16:30)=火曜休館
入場料=大人500円(400円)/小・中学生150円(100円) =カッコ内は団体割引料金

主催
伊那市 伊那市教育委員会 信州高遠美術館
協力
作家集団 工芸京都

「作家集団 工芸京都」の2008年以来5年ぶりの展覧会です。
その間、同人2人の死去や、展覧会資金の貯蓄などで、発表を控えざるを得ませんでしたが、我々の作品を地方文化の向上に資そうという伊那市立・信州高遠美術館との間で話し合いがまとまり、2010年以来の新加入を加えた同人25人の新作50点を展示することになりました。
2013年は日本とベトナム社会主義共和国との国交樹立40周年にあたり「日越友好年」として各種の事業が行われますが「工芸京都」も11月に「京都工芸の精華展」をハノイのベトナム美術館で開催の予定で、本展に出品される作品がそのまま展示される予定です。
日本―というより世界のトップレベル作家が、世界文化の向上を目指し分野・会派を超越して結束し精進した成果をお目にかけます。

この展覧会開催に当たって、次の各機関・団体・企業の御後援をいただいております。(順不同)
長野県 信濃毎日新聞社 長野日報社 朝日新聞長野総局 中日新聞社 産経新聞社長野支局 日本経済新聞社長野支局 毎日新聞長野支局 読売新聞長野支局  ABN長野朝日放送  NBS長野放送  TBSテレビ信州 伊那ケーブルテレビジョン 長野エフエム放送 (公財)信毎文化事業財団 (公財)八十二文化財団 伊那美術協会  伊那市民美術会 信州美術会伊那支部 伊那市観光協会